私たちは、1日にクレジットカード1枚分のプラスチックを食べている。
海には大量のプラスチックゴミが漂っている。
プランクトンの量よりも多いプラスチックがある。
ほーん。・・・で?

前の私は、自分が実際にプラスチックを消費することと、地球環境について何の接点も見出せていませんでした。
プラスチックは環境によくない。
薄々気づいてたけど、自分にできることなんかないしな・・・
毎日当たり前のようにペットボトルを買い、スーパーでレジ袋をもらって生活していました。

私が何かしたところで何も変わらんやろう、プラスチックもポイ捨てしてるわけじゃないし。
焼却炉でちゃんと燃やされてるんろう。
みんなも普通に使ってるんやし。
だから、別に大丈夫。
そう思ってました。
最近は少し地球環境やエシカル消費について勉強しはじめて、プラスチックは海によくない、っていう知識は得ました。
だからプラスチックはなるべくつかいたくない・・・って思うようになったけど、何がそんなにアカンの?マイクロプラスチックって・・・?
てちゃんと説明はできませんでした。
もうちょっと詳しく海とプラスチックについて知りたい・・・と思って読んだのがこの本。
この本を読んで、「プラスチック、これほんまにアカンやつやん・・・」ってなりました。
私の頭の整理のために本の内容を私なりにまとめてみました。
プラスチックゴミと海の関係
想像力の乏しい私は、海の汚染とプラスチックゴミになんの関係があるのか、さっぱりわかりませんでした。
- 石油使って作ってるから?
- 温暖化で海水温上がって珊瑚にダメージ受けるから?
ぐらいしか想像できへんかったんです。あわれ。
プラスチックゴミがなんで海によくないか、というと、燃やされなかった全てのゴミは、最後は海にたどり着くからです。
- 公共のゴミ箱から溢れたプラスチック包装、ペットボトル
- 風で飛ばされたビニール袋
- 回収のときに漏れ出たプラスチック
1日、一瞬で切り取ればそんなに大した量でないかもしれないけど
日本全国で、ずっと毎日、って考えるとものすごい量じゃないですか。
川のゴミも、街に落ちているゴミも、最後は海に流されます。
じゃあ、プラスチックゴミが海に流れ出てなにがアカンのか。
プラスチックがヤバイ理由
自然になくならない
海にプラスチックが増えたらアカン理由は、なくならないからです。
半永久的に存在し続けるのです。
そして海中にあるプラスチックは劣化のスピードがめちゃくちゃ遅い。
自然界に存在するものは自然になくなります。
二酸化炭素、水、ミネラルに分解されて、最後にはチリになってなくなります。
もちろん人間もです。
でもプラスチックは粉々にはなるけど、自然に分解されずに、水にも二酸化炭素にもミネラルにもなりません。
「小さいプラスチック」として存在し続けるのです。
粉々に小さくなったものが「マイクロプラスチック」です。

(プランクトンよりも多いらしい・・・!)
本に写真が載ってるんですけど、ほんまに砂粒ぐらい小さいのもあって、これが地上から遠く離れた陸も見えへん海に漂ってるって・・・なにごと・・・
海に出たプラスチックは何世紀もなくならないのに、今もなおものすごい勢いでプラスチックは作られてるし、海に流れていってるって考えたらうわあああああ!ってなりました(は?)
魚・鳥が誤食して死ぬ
自然になくならない、粉々になってもプラスチックのまま。
私たちが使うプラスチックは、動物にも悪い影響を与えています。
その動物の一つがアホウドリです。
アホウドリは海面近くの魚・貝をたべます。
雛にも海面近くでとれた魚・貝を食べさせます。
小さくなったプラスチックが海面にプカプカ浮いてる様子は餌の動きにそっくりで、アホウドリはプラスチックと餌を見分けられません。
海面に浮いているプラスチックを餌だと思い雛に与えます。
雛はプラスチック吐き出すことができず、胃はプラスチックでパンパンになり、やせ細り、死んでしまいます。
アホウドリだけじゃなくて、クジラも、亀も、魚も、海に生きるほとんどの動物の消化管からプラスチックがみつかります。
プラスチックが詰まって死んでしまった動物が他にもたくさんいるのです。
とはいっても、
- 人間には関係ありませんやん?
- かわいそうやけど・・・あんまり現実味ないなあ
ってどこか遠いことのように思う方もいるかもしれません。
(実際は生物多様性が失われると人間の首もどんどん絞まるけどね)
有害物質を含む
プラスチックは「石油が硬い形になったもの」です。
石油だけでは形が安定しないので、しっかりした形にするためにいろんな化学物質を混ぜて作られています。
その化学物質の名前が難しくて、カタカナ・アルファベットが並んだやつなんですけど、イマイチよくわからんのです。
(難しいと思ってるの私だけ)
- 有機ハロゲン化合物(DDT・PCB類)
- 過フッ素化合物質
- ビスフェノールA
この成分についてグーグルで調べてみたけど詳しいことが載ってないんですよね。
載っててもプラスチックとの関係がよくわからなくて・・・
この有害物質が入っているプラスチックは何なのか?っていう詳しいところも実際よくわからないらしいです。
プラスチックの成分表示は「企業秘密」として公表しなくてもいいみたいなので、どんな化学物質がどれだけ使われてるかは謎のまま・・・
(それはそれでこわい)
そんないろんな有害物質がある中で、読んだ本にしきりに書かれてたのは「ビスフェノールA」です。
プラスチックと関連する多くの化学物質が人のエストロゲン受容体を刺激するらしい。
その一つがビスフェノールAっていう化学物質。
人間への害がいろいろ調査されてるけど、企業の資金でした調査ではビスフェノールAの害は実証されてないみたい。
ビスフェノールAの害が実証されてるのは個人が独自の資金で調達して行った調査ばっかりみたいです。
これは個人的な意見・考えですけど、
人工的に作られて、どんな化学物質使ってるかわからないものが人体に、環境にイイわけあるかいっ
と思ってます。
食物連鎖の中にあるプラスチック
プラスチックの人間への直接的な害について、まだちゃんとした研究結果は出てないってこの本には書かれてます。
でも、人間に影響を与えてる可能性はかなり大きいと思います。
プランクトン→魚→人間
プラスチックは自然にはなくならずに小さくなるだけで、マイクロプラスチックとして海をずっと漂うんですよ。
その小さくなったプラスチックを餌と間違えて食べる動物がいるわけですね。
その一つにプランクトンがいます。
サルパ(棒状の足ないクラゲみたいなやつ)っていうプランクトンがいます。
これは手のひらサイズのデカいプランクトンで、肉眼でも余裕で見えるデカさなんですね。
この本を書いた人が海でした調査によると、体の中にプラスチックがあるサルパがたくさんいるそうです。
そのプランクトンを食べる魚がいて、その魚を食べる人間がいます。
プラスチックを食べて死んでしまった鳥の体内からは有毒物質が検出されてます。
人間の中に入ったプラスチックの化学物質が体に染み出している可能性はあります。(まだちゃんとした研究結果はないっぽいです。)
肉牛→人間
プラスチックは一部の肉牛の飼料にも使われています。
プラスチックが食べものになるって何事・・・!って驚愕でした。
マイクロプラスチックは食物繊維的な働きをするらしいです。
そんなプラスチックを食べた牛の肉を人間が食べる。
プラスチックを食べた牛の糞が土の肥やしとして使われる。
その土で育った野菜を人間が食べる。
どこまで人間の健康に影響するかはわかってないみたいです。
色々不安を煽るようなことを書いてしまいましたが、こういう可能性がある、って知っておくのは大切かな、と思います。
ただ、その「こわい可能性」「ネガティブなこと」だけに意識がとらわれてしまうと、すごく生活しにくくなると思うんです。
こんな気持ちになるんやったら知らんほうがよかった・・・
前の私やったらそう思ってたハズ。
でも、どこに意識を向けるのかは自分次第。
ネガティブなことを知らないからハッピーな人よりも、ネガティブを知った上でハッピーに目を向けている人のほうが強く優しい人だと思います。
私はネガティブなこともちゃんと知って、その上で自分にできることに目を向けられる人でありたい。
地球はこんな状態になってしまったけど、自分一人でもできることはたくさんあります。
自分にできること
「プラスチックスープの海」を読み進めてるうちにどんどん絶望的な気持ちになっていったんですよ。
漁業の問題、大企業の問題。
自分からは遠くはなれた場所で、自分とは関係ない悪い人間が環境破壊をしてるんや・・・
大きな問題ばっかり書いて、そんなん私にはどうしようもできへんやん!!
自分ができることって何なん!!!!っていう気持ちになりました。
そんな気持ちのまま読み進めてたら、本の最後のほうに個人ができることもちゃんと書いてありました。
まず知ること
私もプラスチックの状況を知ったから、こんな記事を書いてるし、行動を起こそうと思ったわけで。
正しく行動を起こすにはまず知識を身につけることだと思います。
知らないと、そこにある問題にも気付けないから。
とはいっても、環境の本って難しいし、楽しい話じゃないからワクワク!読みたい!とはならないんですよね。笑
私もこの本買ってから読み始めるまでかなり時間かかりました。w
この記事がその「知る」キッカケに少しでもなればいいなあ、と思います。
消費者が行動を起こす
知ったあとにできることが、まずは「自分の消費行動を変える」だと思います。
需要があるから供給があるんです。
とはいっても、こんな偉そうに記事書いてるけど、私も完全なプラスチックフリー生活は送れてません。
化粧品はプラスチックケースにはいったものがほとんどやし、食品保存にプラスチックケース使うし、パソコンもiPhoneも必要やし、服も化学繊維がはいったものを着ています。
ビーチサンダルも履くし、まだ使い捨ての生理用ナプキン使ってしまってるし、コンビニのお菓子もたまに買ってしまいます・・・
でも、今まで消費していたプラスチックをなるべく減らす努力はできます。
プラスチック消費量を減らすためにしていること
私がやっていることはまだまだ十分じゃないです。
でも、こんな意志薄弱な私でも続けられてるから、誰でも簡単に始められるはずです・・・!
マイボトルを持つ
ペットボトルを買うことがなくなりました。
飲むものって毎日消費しますよね。
毎日のペットボトルの消費をマイボトルに変えるだけで、プラスチックの消費量はかなり減りますよね。
仕事用は700mLのを持っていって
出かけるときは400mLの小さいのを持っていってます。
(めっちゃ売り物みたいな写真になった)
Hydro Flaskかわいくてお気に入りです。
マイバックを持つ
プラスチックが多く消費されてるものは「包装・パッケージ」です。
食べ物を買うのに、プラスチック包装は避けられないと思います。
でも、レジ袋ぐらいは減らせます。
私は昔100均で買ったボロッボロのマイバック持ち歩いてますw
かわいいの買おうかなーと思ったけど、まだ使えるし・・・捨てたらこれもプラごみになるし・・・と思ってまだ使ってます。
(せめて洗えよ)
場所とらへんし、軽いし、持ち歩くのに全くストレスはありません。
どこか出かけるとき、iPhone、財布、マイバック、マイボトルはセットで持っていく癖がつきました。
レジ袋って軽いからすぐ飛んでいくんですよね。
飛んでいったレジ袋が行き着く先は海です。
自分がポイ捨てするつもりはなくても、ふとした瞬間に風で飛んでいってしまったことありません?
私は経験があります・・・。
海に浸かったレジ袋って全然劣化しないし、ずっとその姿で海を漂うんですよね。
レジ袋ってクラゲと似てるみたいで、クラゲと間違えてウミガメが食べてしまうんです。

故意ではなかったとしても、自分が使ったプラスチックゴミが、どこかの動物に悲しい思いをさせてるかもしれない。
使わなくてすむものは、使わないにこしたことない・・・って思います。
海に行くプラスチックゴミを減らす
私は、「街でのゴミ拾いってただのパフォーマンスやろ?自己満やん」って思ってた時期がありました。(最低)
街でゴミ拾ったところで何が変わるわけ?と。
でも、
街で出たゴミが最終的に海にいくなら。
海に出たプラゴミが「プラスチック」として半永久的に海を漂い続けるなら。
そのゴミが海の動物を殺してしまっているのなら。
海に出てしまったゴミを回収するのが難しいなら。
陸でゴミを拾うのは、海に出ていくプラごみを減らす活動だと思うのです。
ちょっと想像すればわかるのに、当時の私はゴミ拾いと環境が全然繋がってませんでした。
今は海に行けばできる範囲でプラごみは拾うし、街のゴミ拾いがあれば参加するようになりました。
海でゴミ拾うのって、なんか恥ずかしい気持ちがあったけど、やってみたら結構気持ちいいし、恥ずかしいってただの自意識やったな、って思います。笑
ゴミ拾いが特別なものじゃなくて、散歩に行ったついでのゴミ拾いが当たり前な文化になれば素敵やなーて思います。
前は海のプラごみを見てるだけでした。
見てるだけのときは、ただ怒りのネガティブな感情しかなかったけど、自分がゴミを拾うっていう行動をするだけで、気持ちがすごい楽になりました。
ただの自己満には変わりないのかもしれないけど。
小さな行動でも、落ちてるペットボトル1つ拾うだけで、粉々になって無数のマイクロプラスチックになるプラごみが1つ減らせます。
そう思うと、意味のない行動はないし、自己満でも偽善でも、行動した方がいいよな、と私は思います。
読んで感じたこと
めちゃくちゃ長い記事になった・・・
まだ読んでくれてる人とかいるんですかね・・・
最後に、「プラスチックスープの海」を読んで感じた感想を少しだけ。
「便利」「発展」は人を幸せにする?
プラスチックがここまで人の生活に欠かせないものになったのは戦後です。
戦争で必要だった石油がもう必要なくなった。
大きな取引先だった国との契約は切れてしまったけど、ビジネスはしていかなくてはいけない。
そこで販売のターゲットが消費者へと変わります。
プラスチックをもっと一般的でお手軽に。
「便利」「衛生的」というメリットを打ち出して世の中に出てきた使い捨てプラスチック。
便利は良いことで、人を幸せにするように思いますが、便利になって空いた時間で、人はまた仕事をします。
拡大・繁栄・発展を目指して、働きます。
でも、それが本当に、人にとっての幸せなのか?と本を読みながら思いました。
本当の豊かさは自然と調和した暮らし
ここからは完全なる個人的な意見です。
感じる幸せは人それぞれです。
とはいっても、圧倒的に美しい自然に触れたとき、涙が出たり、鳥肌がたったり、幸せを感じる人は多いと思うのです。
地球に生きる人間が感じる根本的な幸せは自然のサイクルで、自然と調和しながら暮らすことじゃないかなあ、と思いました。
昇ってきた朝日を美しいと思ったり、
育ててる植物の成長を喜んだり、
季節で変わる太陽のあたたかさ、風の爽やかさを感じたり、
海に沈む夕陽を眺めて少し寂しい気持ちになったり。
想像するだけで優しい気持ちになれるし、
胸がジーンとあったかくなって涙が出そうになります。
(私だけですか)
自然との調和から離れれば離れるほど、便利になって忙しくなればなるほど、
自然を感じる、根本的な幸せを感じる時間がどんどん減ってしまってるんじゃないかと思いました。
発展すること、便利になること、高価なものを所有すること、お金持ちになることが私の目指してる幸せではないなあ、と。
何回も書きますけどこれは個人的な意見です。
便利を追い求めるな、自然と調和して暮らす人がエライ!って言いたいわけじゃないです。
何に幸せを感じるかは人それぞれやし、間違ってるとか、正しいとかはありません。
色んなものが発展したから、こうやってインターネットを使って自分の思っていることを知らない人に発信できるし、技術の発展はとてもありがたいと思っています。
でもこれからは、モノを手にいれる努力ではなくて、身の回りに溢れているものを自分の信念に沿ってシンプルに削ぎ落としていく作業が必要なのかな、と思います。
ということで、プラスチックスープの海を読んだ感想・まとめでした。
めっちゃ勉強になったので、もしよかったら読んでみてください。
では!